新米ママひな人形ってどう片付けたらいいの?
目次
おひな様ってそもそも何?
そもそも、ひな人形は何の為に飾るのでしょうか。
雛祭りとはそもそも、平安時代中期(約1000年前)の人々が三月の初めに行っていた無病息災を願う祓いの行事を起源としています。こちらの行事は陰陽師を呼んで天地の神に祈り、季節の食物を供え、ひとがたに自分の災厄を托して海や川に流すというものでした。
そのような神事が起源である雛祭りではありますが、時代の流れと共に、意味合いも変わり、人形遊びやままごと遊びの要素がふくまれるものへと変化を遂げ、華やかなお人形を飾るようになっていきます。
現在では、お雛様はひとりひとりの女の子の幸せを叶えてくれる守り神のような存在として飾るようになっています。女の子1人につき一揃いのお人形を用意し、毎年桃の節句にあわせて飾るのが、正しいあり方であるとされています。また、女の子が産まれて最初の桃の節句は初節句として、区別して呼ぶこともあります。多くのご家庭がこの初節句にあわせて、ひな人形を用意されているようです。
ひな人形をしまうタイミング
時期にあわせて飾るということは、当然時期が過ぎたらしまう、ということです。ではひな人形をしまうタイミングには何か決まりがあるのでしょうか。
ひな人形をしまうべき日取り
結論からいうと、ひな人形には「この日付には仕舞わなくてはならない」という明確な決まりはありません。雛祭りは新暦の3月3日とされています。ですので、それが過ぎたらできるだけ早い内にしまうのが良いと言えるでしょう。
後に触れますが、ひな人形には「しまうのが遅くなると今期を逃す」といった迷信も存在しているので、あまり遅くまで出しているのは好ましいとはいえません。ただ、初節句の場合、購入時期によってはあまり早く仕舞うのは寂しい、と思われるかもしれませんね。3月中ごろ位までであれば飾っていてもいいようです。
大切なのは天気と湿度
ひな人形をしまう上で、日取りよりも気にするべきことがあります。
それは天気です。多くのひな人形は非常に繊細な生地を使って作られています。それらの生地はとても湿気に弱いという特徴があります。湿度の高いじめじめとした日にひな人形をしまってしまうと、お人形に湿気が残ってしまい、カビやシミの発生に繋がってしまいます。ですので、ひな人形はお天気がよく、カラリとした湿度の低い日にしまうというのが何より重要といえるのです。
もし、片づけを予定していた日に雨が降っていた場合は、しまうのが遅くなってしまうとしても、延期した方が良いといえるでしょう。
ひな人形を片付けるべき日 = 天気がよく湿度の低い日
お雛様をしまい遅れるとお嫁にいけない?
新米ママ本当に雨で延期しても大丈夫?
とはいえ、延期するとなると、気になるのが「お雛様を仕舞い忘れるとお嫁にいけない」という迷信=ジンクスですよね。そもそも、なぜこのように言われるようになったのでしょうか。
ジンクスの由来
調べてみると、このジンクスの由来には諸説あるようです。
- 人形は娘の厄を引き受けてくれているので、いつまでも身近に置いておかない方が良いという考え
- 片づけられない嫁、という風に見られてしまうのを避けるため、早く片付けるしつけをするための口実
- 季節の節目の飾りものなので、いつまでもお祭り気分でいてはいけないという情操教育の一環
- 雛人形は結婚を象徴するため、早く片付く=早くお嫁に行けるという縁起担ぎ
等…どこか親心が垣間見れるものも多いです。
物を大切に扱えるよう親が教える機会
娘さんの幸せの為に用意し、飾っているお雛様。諸説あるものの「婚期が遅れる」というジンクスは、女の子に物を仕舞うことの大切さを教える意味合いが強いように感じられます。
娘の為のお人形を購入した人形屋さんでも「是非、娘さんと一緒に毎年出したり、仕舞ったりをしてください」と言われました。この後に触れますが、お雛様を仕舞う時には気をつけるべきことがいくつかあります。それを1つ1つ伝えながら、丁寧に片付ける姿をこどもに見せ、教えていくことは、物を大切に扱うことの重要性を子に伝えるということでもあるように感じます。
物を丁寧に・大切に扱えるような女性はきっと男性からも好まれ、お嫁にも行けますよね。
ジンクスの所以を考えても、お雛様を大切にする為に雨の日を避けた結果、お雛様を片付けるのが多少遅くなったとしても、悪い影響が無いように感じますが、いかがでしょうか。
ジンクスは、女の子に片付けの大切さを教えるためのもの
お雛様の正しいしまい方
新米ママ具体的にどうしまったら良いの?
では、実際にしまう時に気をつけることを確認していきましょう。
用意するべきもの
ひな人形をしまう時に用意するとよいものは下記の5つです。
- 毛ばたき……ほこりを払うときに使います。
- 柔らかい布……塗りの部分の乾拭きに使います。
- 柔らかい紙(ティッシュなど)……お人形のお顔を包みます。
- 人形用防虫剤……お人形、ぼんぼり、お花の箱の中に入れます。
- 白手袋……お人形を触れる時に使います。
どれも安価に入る物で大丈夫。人形用の防虫剤は唐辛子でも代用可能です。
気をつけるべきこと
しまうときには埃を十分にはたき、汚れは落としておく。
毛ばたきで優しくホコリを払ってから片付けます。置き飾りなのでお人形に結構ホコリがついていますよ。丁寧に払ってくださいね。
お人形のお顔は素手では触らない
お人形の顔を素手で触るのは禁物です。脂が付き、シミの原因になってしまいます。
片付ける時には白手袋などを使って素手でお人形を触らないようにするのが良いでしょう。
元々入っていた箱にしまう
お人形や道具は元々入っていた箱にしまうのが良いです。お人形をベストの状態に保てるのがその環境であると言えるからです。飾る前に収納状態の写真を撮っておくと、しまうときにスムーズにしまうことが出来ますよ。次回の為に、今回しまうときに写真を撮っておいても良いかもしれませんね。
人形同士には余裕を持たせる
大きな箱の中に複数のお人形やお道具をしまうときは互いがぶつかり合わないように気をつけて収納します。隙間には紙などを軽く詰めておくと良いでしょう。人形同士がぶつかっていると、変なクセがついてしまったり、収納時の揺れなどにより破損してしまったりすることにつながります。
細工の細かい部分は包んでしまう
お人形の顔や手など細工の細かい部分は柔らかなティッシュペーパーなどで優しく包んで収納します。これにより、収納時の揺れなどによる思わぬ破損を防ぐことができます。
防虫剤は適量を人形に触れないように入れる
人形に虫がつくのが怖いあまり防虫剤を多めに入れてしまう方も居るかもしれないのですが、これは逆効果です。ひな人形はとてもデリケートなので、人形の傷みにつながります。また、嫌なにおいが残ってしまうこともあります。パッケージに記載されている、使用上の注意をよく読み、使いましょう。使用量は守り、お人形や装飾品に直接触れないように注意してください。人形用の防虫剤が無い場合、ティッシュペーパーにくるんだ唐辛子を一緒に入れるのも効果があるそうです。
保管場所は湿気の無い高い場所
お人形を保管する場所は湿気の無い納戸や押し入れの上段など、家の中の高い場所に保管をするのがオススメです。均一な温度が保たれ状態を維持することが出来ます。
- しまうときには埃を十分にはたき、汚れは落としておく。
- お人形のお顔は素手では触らない
- 元々入っていた箱にしまう
- 人形同士には余裕を持たせる
- 細工の細かい部分は包んでしまう
- 防虫剤は適量を人形に触れないように入れる
- 保管場所は湿気の無い高い場所
初節句の方へのアドバイス
新米ママアドバイスはありますか?
初節句を迎えられた親御さん、本当におめでとうございます。
私は娘が今年3回目の桃の節句でした。そんな私なので、先輩面するのも憚られるのですが、いくつかこうすれば良かったという反省もあるのでお伝えさせてください。
しまう前としまう時には写真を撮ろう
まずは、今飾っている、これからしまうお人形の写真を撮っておいてください。これからの1年はとにかく濃厚な1年になることでしょう。人形の飾り方の細部まで覚えていられる保証はありません。写真があれば、来年飾るとき、その通りに飾れば良いのでスムーズに進むはずです。
また、前章でも触れたのですが、ひな人形をしまう時には最初に入っていた箱に、入っていた通りにしまうのがベストです。ですので、本当は開封時に、梱包の様子を写真に抑えておくとベストです。ですが、今からでも遅くはないです。なぜならまだ最初の状態の記憶が残っているはずですから。是非、今回お人形をしまった状態を写真に撮り、できればすぐに印刷して、収納している箱に一緒にしまっておいてください。年々、しまい方が適当になっていく…という事を阻止できます。
収納場所は最初によく考えて
多くの方において、今回しまう場所が収納場所として定着します。仮置きで…と考えて居てもそれを変えるような余裕はなかなか無いのが人間というものです。湿気の少ない高い場所という条件を満たせる場所は少ないかと思いますが、どこが最適か、是非しっかり考えてから収納すると良いと思います。毎年出し入れするものです。出しにくい場所だと大変ですよ。
正しくしまって来年も素敵な雛祭りを
いかがでしたでしょうか。少しでも皆様のお役に立てていれば幸いです。
おひな様は本当に綺麗で素敵なもの。
正しくしまって、また来年も素敵な姿を見せて頂けるようにしましょうね。